メンタルヘルス

 

ス ト レ ス 概 論

 

トレスの語源は物理学用語で「外からの力に対する物質の歪み」という意味で用いられていました。例えば現象論としてゴムボールに外から力を加えればへこみ、歪みます。さらに大きな力を加えて変形させたり、鋭利なものなどで力を加えると、ボールは絶えられず破れてしまい、”ゴムボール”としての形を失い、ボールで無くなってしまいます。この現象が本来の「ストレス」だったわけです。 “ストレス”とは外からの刺激に対する生体の反応のことをいい、そのストレスを生じさせる刺激のことを“ストレッサー”と呼ぶようになりました。

 

ストレッサーには

@  物理的ストレッサ−・・・ 高温や低温による刺激、放射線や騒音による刺激
A  科学的ストレッサ−・・・ 酸素の欠乏、活性酸素、食品添加物、環境汚染物、放射能物質、栄養の量・質の不足薬物の刺激
B  生物学的ストレッサ−・・・細菌、ウイルス、寄生虫、真菌などの侵入
C  精神的ストレッサ−・・・人間関係、精神的な苦痛、恋愛、家庭問題

ストレスには2種類のストレスがあります。1つは『快ストレス(eustress)』であり、もう1つは『不快ストレス(distress)』です。

全身適応症候群
(general adaptation syndrome)

s

警告期⇒抵抗期⇒疲弊期

警告期(困る)⇒気にならない⇒抵抗期(手当て・反応⇒たくさん知る)⇒疲弊期(落ちる)

ストレスチェック click

(1)過剰ストレス

過剰ストレスの多くは、病気や不快感など、害をもたらす。

(2)過少ストレス

毎日何の緊張もなく、頭や体を働かせる必要もなしにただ漠然と過ごしていると、人の心身を鈍らせ、退化させる。

(3)適量ストレス

人間にとって適量のストレスは必要不可欠。適量のストレスは私たちの行動を適度に活性化して、快適で張りのある生活をもたらす。

心理的・生理的に最も効率の高い状態をもたらす良性ストレスと考えてよい。

 

ストレス学説


ストレスb

ジェネラル・アダプテーション・シンドローム

ハンス・セリエ   
(Hans Selye, 1907〜1982)
ベルナール、キャノンを経て、1936年カナダの生理学者ハンス・セリエが登場しました。セリエは先人の研究を参考に、自らの成果を加えてストレス学説を作り上げました。自然化学雑誌であるNatureに論文「種々の有害作用から生ずる一症候群」を発表しました。それは、動物が外界から有害作用(ストレッサー)を受けると、脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の放出が増し、副腎皮質ホルモン(コルチゾン)が増加し、副腎髄質ホルモン(アドレナリン)が血中で増加するということでした。そしてこれこそがストレスの正体であると考えました。外界からのストレッサーを受けると闘争あるいは逃走の態勢を取るため筋肉が緊張し、血圧が上昇し、脈拍が上がり、血液中の糖分が増加する(ストレス状態)。これは運動すると元に戻るが、現代人は闘争が禁じられているため、この状態を解消できず、心臓血管系に負担を与え、心筋梗塞、高血圧などの原因となることを述べ、精神衛生が肉体的健康に影響を与えることを科学的に明らかにしました。
そしてまたこの考え方をもとにセリエは、生体のストレスに対処する反応に3つの段階があることを提唱しました。第1期は警告反応期で、身体がストレスを認識し、闘うか逃げるか、どちらかの行動に入る準備をします。内分泌腺からホルモンがでて、瞳孔がひろがり、心臓の鼓動と呼吸がはやくなります。血糖値があがり、汗が出て、消化作用が遅くなります。第2期は抵抗期です。警告反応によって起こった体の状態はストレスがなくなれば回復しますが、ストレスが続くと身体は警戒態勢をとったままになり、警告反応期の状態は回復しないようになります。それが長く続くと第3期の疲憊(ひはい)期にはいり、ストレス関連疾患がおこります。あまり長期間にわたってストレスにさらされ続けると、体のエネルギーが使いはたされ、死にいたることもあります。これらの反応による症状を全身適応症候群(general adaptation syndrome) といいます。

アメリカの社会生理学者 ホームズとレイが生活上のあらゆる出来事がストレス源になることに着目し、日常生活において、どのようなものが人々の心理的ストレス刺激(ストレッサー)になるのかを調べ、ライフイベントからなる <社会的再適応評定尺度 click! >を作成しました。 過去一年間に起こったライフイベントを選びだし、選んだ項目の点数を合計し、200点から300点あれば、半数以上が翌年くらいに、ストレス症状がこころか身体に表れるであろうとホームズとレイは考えました。強い喜びや感動、興奮を引き起こし「人生の一大事」であり、自律神経系や内分泌系等に大きな負担をかけストレスの原因となると考えられています。つまり、変化があればそこにはなんらかのストレスがあるということです。要するに、「快ストレス」は、楽しいことやうれしいことのような出来事もストレス適度なストレスは交感神経系を目覚めさせ、判断力、行動力を高めます 緊急時反応)が、やはり「ストレス」の原因を持つのです。



 職場のメンタルヘルスケア


「3つのA」Absenteeism遅刻・欠勤, Accident事故やミス, Alcoholism飲酒)

         


   ストレスマネジメントstress management

集団の中で、組織的に考える。⇒リラクゼーション、ストレスチェック、スケール

1.     ストレスのもとになるストレッサーの軽減あるいは回避

2.     わずかな刺激をストレスと感じてしまう認知の修正

3.     ストレスと感じた情報に対して、体が過剰に反応しないようにする生体反応のコントロール

4.     ストレス反応を軽減する要素:対処行動の発展

5.     ストレス反応を軽減する要素:社会的支持基盤の確率


職場ストレススケールの作成 
 

どの程度の負担を自覚しているか (JobStressorの質量),彼らの精神的健康状態(StressReaction),およびストレス低減・緩衝要因(Coping strategySocial support network)などの個人的特徴に由来するストレス関連要因,の3側面を把握

ストレッサー

「過度の圧迫」「役割の不明瞭」「能力欠如」「過度の負担」

コーピング 「積極的な問題解決」「逃避」「他者からの援助を求める」「諦め」「行動・感情の抑制」
ストレス反応 「怒り」「循環器系の不調」「対人場面での緊張感」「疲労」「過敏」「抑うつ」
ソーシャルサポート 職場内・職場外・家族の3領域該当する人物が何人いるか


カウンセラー

カウンセリングとは 

●カウンセリングの語源は、「待つ」「共に考慮する」という言葉にある。カウンセリング=相談とは、「診断」「助言」「指導」といったことばであり、職業相談所や紹介所などではこのような相談業務を行っておられると思う。カウンセリングにも、この3つの役割は内包しているが、カウンセリング本来の役割は、助言、指導などは一切行わない。カウンセラーの役割は、クライエントとの人間的コミュニケーションを通して、クライエントの人間的成長を援助することにある。ハローワークや、人材派遣での、雇われているカウンセラーと、コンサルタント、カウンセラーとして開業しているカウンセリングとの質の相違がここにある。

●カウンセラーは、クライエントとの人間的なコミュニケーションをとるために「傾聴」を行う。実際、最初の数回のカウンセリングでは、ひたすらクライエントの言葉を「聴く」ことになる。
「聴く」ということは、「訊く」「聞く」とは違い、背後にある感情を受け止めて理解することだ。

カウンセリングの三大源流

・職業指導運動  パーソンズの職業相談所開設から始まる流れ

・教育測定運動  現代教育心理学の体系の創始者といわれるゾーンダイクが進めていった流れ

・精神衛生運動  ビアズが進めていった運動。コネチカット州に精神衛生協会を設立し、その後全アメリカ精神衛生財団を設立

カウンセリング
職業指導、教育指導より発展したカウンセリング心理学がベース
問題をもつ健常者および成長したい健常者への支援
問題の解決・予防、行動の発達、人間的成長を志向
※発達への支援モデル(
Care志向)
キャリアカウンセリング、産業カウンセリング、スクールカウンセリング、組織・システムに対するコンサルティングなど

 

 

※ストレスコーピングstress coping(対処行動・ストレス耐性)

コーピングとはストレスを評価し対処しようとすること。個人的(自分自身が向き合い、どう対処するか。)

 

ストレス耐性:人は日常生活の中で様々な出来事を経験するが、その中には、「いやだ」、「負担だ」と感じるストレッサーを経験すると、抑うつ感や不安感、怒り、無気力などの様々なストレス反応が生じる。このようなストレス反応を低減させる、あるいは現状よりも増大することを防ぐ行動。

 

問題解決スキル:問題状況を解決するために必要とされる技能。このスキルは、問題の定義、解決法の選択肢の公安、意思決定、解決法の遂行とその検証という過程から成り立ち、このスキルが高い人ほど、ストレスに上手に対処することができる。

 

社会的スキル: 円滑な対人関係を形成し、それを保持するための技能。周囲の人々との問題解決がよりよく行われ、協力や援助を受ける可能性が高まり、人間関係において自分自身をコントロールできるようになる。

 

自己効力感(セルフエフィカシー):特定の結果を得るために必要な行動を、どの程度上手く行うことができるかという認知。セルフエフィカシーが高いほど、ストレスに対処することが容易になる。

1.      自分で実際に行い、成功体験を持つこと(遂行行動の達成)

2.      うまくやっている他者の行動を観察すること(代理的経験・モデリング)

3.      自己強化や他者からの説得的な暗示をうけること(言語的説得)

4.      生理的な反応の変化を体験してみること(情動的喚起)

 

身体的健康:ストレスに対処するには、相当量の身体的エネルギーが必要とされる。解決困難で慢性的に持続するようなストレス状況の場合に多い。この状況に疲労や消耗に耐えうるような健康な身体が重要な役割を果たす。

 

ソーシャルサポート 

l          なぐさめや励ましを受けたり・・・情緒的サポート

l          問題解決のために役立つ情報を提供してもらったり・・・情報的サポート

l          問題を解決するための手助けをしてもらう・・・実体的サポート

 

ストレッサーを知る
  パーソナリティを知る
  支援の形成
  道具的支援
  情緒的支援

自己一致とアサーション(自己表現)

·         初期段階
悪いのはすべて自分以外の人の所為だと考える。対処としての効果はあるが、欠点は成長しないこと。

·         第二段階
初期段階を過ぎた人はうまく行かない原因はどうも自分にあると考えるようになり、人のせいにはできず、自分が頑張れば何とかなると考えるが、空回り。こんなときに心的栄養失調になる恐れがある。心的栄養とは将来に対する希望的存在。リフレッシュという言葉もよく使われる。

·         第三段階
本来のストレスコーピングはストレスの原因を取り除くこと。目標を持ち、階段を一段一段上るように着実に足下を見ながら前に進むこと。後ろを振り向いたり、追い抜かれてその人に追いつこうとするとペースを乱される。



 


メンタルヘルスはどこへ行くのか


職場におけるメンタルヘルスと心身医療


生活環境とメンタルヘルス―人は現代社会にどのように適応していくか

 

 

平成12年8月9日労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課では、事業場における労働者の心の健康づくりのための指針について、労働者健康状況調査によると、仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は年々増加し、平成4年の調査で約57%であったものが、平成9年の調査では約63%に達している。さらに平成9年の社会的背景と平成14年では、社会的意義でも述べたように、社会構造の著しい革新があり、調査項目も、「情報化・技術革新への対応の問題」、「会社の将来性」を追加し、「単身赴任」、「職場の喫煙」を削除している。労働省では、事業場における労働者の心の健康の保持増進を図るため、事業者が行うことが望ましい基本的な措置(メンタルヘルスケア)の具体的実施方法を総合的に示した「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」をとりまとめた。

事業場における労働者の心の健康づくりのための指針

※THPは、働く人の健康づくりを進めるための原則を示した労働安全衛生法第69条、70条と、労働大臣が公表した「健康づくり指針」に沿って、健康測定やその結果に基づいた運動指導、栄養指導、保健指導、心理相談などを行っていくもの。
※EAP(Employee Assistance Program )は、直接的サービス、支援サービス、ネットワークへの参加従業員援助プログラムと呼ばれているメンタル教育ツール。社員はいつでも専門家(心理カウンセラー)に相談 。


メンタルヘルス

@心のストレス症候群
うつ(心・大脳のかぜ)、神経症、心身症、アルコール依存症、ギャンブル依存症、覚せい剤

Aからだのストレス症候群
頭痛、ままい、自律神経失調症、円形脱毛症、蕁麻疹、アトピー気管支喘息、過換気症候群、食食不振、潰瘍、心身症

B対策
1 気分転換・休養する
2 リラクゼーション法
3 カウンセリング
※EAP事業場外資源のネットワークの利用
※THP事業所内の産業保健スタッフ
※精神科・神経科・心療内科・精神内科



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